今日は、朝から、結構強い雨がザッと降ってすぐ晴れて、またしばらくすると降って晴れてみたいな繰り返しが5~6回繰り返したみたいな変な天気でした。
揃ったのは、7時過ぎでしたが、フルメンバー5人参加で、写真のウォーミングアップ(実は、このときはまだ3名)のあと「おこんじょうるり」の詳しい読みをやってみました。
先日、壤さんがいらしたときのテキスト、さねとうあきら作「おこんじょうるり」。
さて、ここには何が書いてあるのか。そこに書いてある言葉は何を指しているのか。くわしく確認しながら読む。
さて、浄瑠璃(じょうるり)というのは、三味線を伴奏に、物語を唄い語る日本の伝統的な芸能。大阪の文楽(人形劇)が典型で、近松門左衛門の心中ものなどが有名ですが、ここでは、人形劇が伴うわけでなく、もっと地方の土臭い伝統のなかでの芸能なのでしょう。
語源的に、浄瑠璃というのは、確か仏教由来のものだったかと、ネットで確認したところ、東方浄土(阿弥陀如来の西方浄土の反対側)のことだと。青く輝く瑠璃(サファイヤ)で形つくられた美しい場所。そこには薬師如来がおわすと。薬師とは、今で言えば、その名の通り薬剤師、というよりは広く医師ということになる。体や心の不調を癒してくれる仏様。
キツネおこんのうなる「じょうるり」は、良き声で、おもしろおかしく唄い聞かせる芸能であることに間違いはないが、いろんな病を治してくれるおまじないでもある。
その文句は「なんむゥ、なんむゥ、そわかァ、すわかァ、びらまんだらァ…」。おや、これは、南無だし、般若心経だし、曼荼羅だし、仏教用語の羅列に他ならない。
そうか、キツネの語る浄瑠璃は、芸能であると同時に、まさしく宗教的な、薬師如来に祈ってその力で病気を治そうとするおまじないそのものではないか。
とか。
主人公のイタコのおばあさんは、これまで人生の中でキツネツキのキツネをずいぶんと退治して、殺し、いってみれば、おこんの眷族のかたきではないか。それなのに、おこんが現れた夜のばあさんのふるまいは、どうなのか、また、おこんの行動はどうなのか。
このおはなし全体が、相当仏教にもとづいたものになっている。あからさまに仏教のことなど何も書いていないが。(イタコが、下北半島の恐山のお寺に属するものであることは周知のことだが、この物語の字面には、そんあことはひとことも出て来ない。)
とか。
そういうことを、一方的に講義したわけでなくて、おはなしの一行一行を読み進め、こどもたちといっしょに読み解いていったわけです。
イタコはどこにいるか。いろりでは何を燃やすのか。梁(はり)とはなにか。干した魚はなぜ高い梁のところにあるのか。ここで出てくるりょうしは、海の漁師か、山の猟師か、などなど。
こどもたちも、最初は、この男、何をしようとするのかみたいな表情ではあったと思いますが、みんな集中して、面白がって参加してくれたと思います。
私の方も、とても面白く、充実したときを過ごせました。有り難いことです。